もりっちゃんのゆるブログ

楽しく、でも真面目に。 そんなブログを書いています。

「黙過」を読みました

台風14号の近畿最接近は明日の午前だそうです。

雨は今日、風は明日が強いようです。

今日の夕方、ベランダの物の取り込みをしようと思います。

今回は台風本体が南側を通るので、たぶん北風。いつもとは反対なので、

ベランダの被害はそうないかなと思いますが念のため。 

 

たまっていた読書の記事をアップします。

黙過 (文芸書)

「黙過(もっか)」(下村敦史 著)を読みました。

新聞の広告で書名を知り、予約して借りました。

 

「黙過」とは、

知っていながら黙って見逃すこと(大辞林第三版)

と、表紙見返しに書いてあります。

  • 優先順位
  • 詐病
  • 命の天秤
  • 不正疑惑
  • 究極の選択

以上の5章から成りますが、“究極の選択”までの4章それぞれに、

「黙過」した人物が登場します。

“優先順位”では、大学病院の医者。

詐病”では詐病している父を持つ息子。

“命の天秤”では養豚場の娘。

“不正疑惑”では医療ジャーナリスト。

それぞれ「黙過」せざるを得ない事情が描かれ、もやもやしながらも

仕方のない現代の社会問題を意識させている。

最後の“究極の選択”では、前の4章で登場した人物がほぼ全て

登場し、4章で描かれた話が繋がっていく。

このような構成は初めてだった。

 

分野としては医療ミステリになるだろう。

でも作者は専門家に取材し、論文や文献を参考にして書いているので

単なるフィクションとはいえない側面がある。

安楽死問題、脳死、移植、動物実験など、簡単にどちらが正しいと

判断できない問題が多い。

当事者になったらあなたならどうする?

と、この作品は問いかける。

難しい内容ではないが、別の意味でしんどい本だと言えると思う。