しばらく暑い日が続いたけれど、そろそろ雨の日が復活しそうだ。
今年の梅雨はザーッとひどく降って休憩、ザーッと降って休憩、
のパターン。
そろそろ梅雨も後半なので、大雨への備えと酷暑への準備をあらためて・・・
2~3日前から、気の早い蝉が鳴き出している。
シャンシャンシャンシャンという賑やかな朝がもうすぐやってきます。
「とりつくしま」(東直子(ひがしなおこ) 著)を読みました。
シュールな表紙です(*´艸`*)
検索で見つけた ↓ 本に入っている「日記」と「マッサージ」が収録
された短編集。
「とりつくしま」は「とりつくしまもない」という慣用句の
「取り付く島」のことで、頼りとしてすがるところ、という意味。
さまざまな状況で亡くなった人が、あの世で「とりつくしま係」に会う。
現世に未練のある人、思い残すことがある人は、自分の「とりつくしま」
を決めて現世に魂を戻すことができる。
「日記」は、亡くなったのは旦那さんで、妻の日記をとりつくしまにする。
「マッサージ」は一家の大黒柱のお父さんが亡くなり、生前購入した
マッサージ器にとりつく。
この短編集はWebで連載されたものらしいが、この設定だけで
いろんな話が想像できておもしろい。
現世に未練があって魂が戻っても、本人が満足できる結果になるとは
限らないことは予想できる。
大好きな人のところに戻っても、相手はすっかり忘れていたり。
親友のところに戻ったら、実は自分はその友人に殺されていたことを
知る・・・なんてミステリーにもなる。
東さんは、全部を描かない。
もともと歌人なので、ことばで全部言い尽くすということをしないのかも。
「私が書くのはここまで。あとはみなさんがご自由に想像してください」
というスタンスがうかがえる。
亡くなったのが子どもで、お母さんとよく行った公園のジャングルジムに
とりついた「青いの」には泣かされた。
生きている者が亡くなった者をどの程度想うのがいいのか、
考え出すと悩ましくなった。