もりっちゃんのゆるブログ

楽しく、でも真面目に。 そんなブログを書いています。

「生物と無生物のあいだ」を読みました

ずっと雨☔

災害級の大雨でない限り、特に雨が嫌いなわけじゃないけれど、

梅雨の蒸し暑さと洗濯物の乾燥にはうんざりしてしまう。

 

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ」(福岡伸一 著)を読みました。

2007年初版の本ですが、一大ベストセラーになりました。

確か息子の中学の保護者会で先生がこの本の話を

されたような記憶があります。

何やら難しそうな内容だし、文系人間の私には無理かなと

思い、読んでいませんでした。

そして2,3年前BOOK OFFの108円均一コーナーで見つけて

購入。

(108円均一コーナー(消費税増税前)ばかりで本を買っているように

みえますが、そんなことはないです。

ただ均一コーナーの端から端まで本を眺めて、

おっと思う本を見つけるのが大好きなんです)

それからも長く積まれていましたがめでたく日の目をみました。

 

生物と無生物の違いは何かー

「息をしていること」つまり呼吸をしていること。

そうですね。それは違いのひとつでしょう。

呼吸のほかにも、「食べること」-栄養の摂取も生物の特徴です。

呼吸ー酸素をとりこみ二酸化炭素を出す、栄養を摂取し老廃物を

排出する、これを代謝といいます。

生物は代謝をするが、無生物はしない。

あと生物は増えます。繁殖したり自らを分裂させたりして。

しかしここで、代謝はしないのに増殖するものが登場します。

そう、ウイルスです。

 

この本が出たのは10年以上前で、新型コロナウイルスはもちろん、

ips細胞もまだ発表されていません。(ES細胞は紹介されています)

でも、日々のコロナのニュースで耳にしないことはなかった

PCR検査。

そのPCRの始まりがこの本で紹介されています。

PCR-ポリメラーゼ・チェイン・リアクションーポリメラーゼ連鎖反応。

DNAを増幅させるために、このシステムができる前は大腸菌を使って

いたそうです。

ウイルスは代謝はしない。

けれど、細胞に付着して自己複製して増殖する。

 

ウイルスは生物と無生物のあいだをたゆたう何者かである。

もし生命を「自己複製するもの」と定義するなら、ウイルスは

まぎれもなく生命体である。

 (中略)

ウイルスを生物とするか無生物とするかは長らく論争の的であった。

いまだに決着していないといってもよい。

 (「生物と無生物のあいだ」(福岡伸一 著)より)

 

ならばウイルスは生物なの?無生物なの?

生物の定義は何?

結論を端的にいえば、私は、ウイルスを生物であるとは定義しない。

つまり、生命とは自己複製するシステムである、との定義は不十分

だと考えるのである。

 (「生物と無生物のあいだ」(福岡伸一 著)より)

 

本書を初めから丁寧に読めば筆者の言いたいことはぼんやり

わかってくる。

たとえば、生き物はいつか死ぬ。死んだ生き物は生物か?

砂浜にある貝殻は死んだ貝だ。その貝殻と砂や石ころは同じだろうか。

死んでるんだから生物ではないでしょ。

本当にそうだろうか。

 

また、私たちは日々年をとっている。

毎日の変化は微細過ぎて自覚できないが、間違いなく変化している。

何年か経てば白髪やシミやしわが増えている。

毎日、秒単位、もっとミクロな単位で変化しているのだ。

私たちはもう1秒前の私たちではない。

 

そんなことを読みながら考えました。

読んだ人それぞれが、きっといろいろなことを考えると思います。

そんな本です。

 

あと、ドラマ「相棒」にもモチーフにされた

シュレーディンガーの猫」が紹介されていました。

この「シュレーディンガーの猫」の回は、再放送も見ましたが、

何ともわかりにくい話で、

登場した黒猫がかわいかったのでまあ仕方ないかと満足していました。

今回「シュレーディンガーの猫」についてネットで調べて、

息子にも解説してもらい、ちょっとはわかった気になっています。

よくわからないことを考える科学者は大変だなあと思いました(笑)

ただドラマ「相棒」の回はうーん、次見たらすっきりするかしら。