もりっちゃんのゆるブログ

楽しく、でも真面目に。 そんなブログを書いています。

「江戸お留守居役の日記」を読みました

昨日ちょうど3年通ったスポーツジムを退会しました。

楽しく運動できていたので残念です。コロナが憎い!

月7,000円くらいの会費ですが、背に腹は代えられない。

何年か経って状況が変われば再開を考えたいです(^^)/

 

さて。

時代劇ドラマが好きなことは、以前ブログにも書いたかもしれない。

子どもの頃は、親が見るので仕方なく見ていた感じだったが、

浴びた時代劇シャワーの効力は思いのほか長く続き、

とうとう自分の年が時代劇に追いついてきたようだ。

水戸黄門」や「大岡越前」、「暴れん坊将軍」などの東映系より

鬼平犯科帳」や「剣客商売」などの松竹系が好み。

ただ、地上波ではほとんど時代劇の放送はなくて、

頼みのNHKも、先にBSで放送してからの地上波になり、

首を長くして待たないといけません。

(専らサンテレビの再放送枠で古い作品を見ています)

今楽しみに見ているのは「雲霧仁左衛門」シリーズ。

NHK地上波でとうとうパート4が始まりました。

池波正太郎の原作はパート2で終了しましたが、

原作の登場人物に新メンバーを加えたり、新たな敵を作ったりして、

パート3以降はオリジナル作品が製作されました。

この「雲霧仁左衛門」シリーズの時代考証を担当されたのが、

「江戸お留守居役の日記」の著者、山本博文さんです。

   ↓

江戸お留守居役の日記 (講談社学術文庫)

「雲霧仁左衛門」シリーズは現在パート5まで製作済みで、

山本博文さんは放送を楽しみにされていましたが、

今年(2020年)3月、がんで急逝されました。

私の旦那さんより1つ年上の63歳。驚きました。

 

何か著作を読みたいと思い、第40回日本エッセイストクラブ賞

受賞したこの作品を図書館で借りて読みました。

山本さんが専門にされている近世政治史に、全く明るくない私が

読んで理解できるか不安でしたが・・・

読めましたよ(^^)v

とてもわかりやすく書かれています。

 

江戸時代初期、徳川家光の時代に、萩藩(今の山口県)の

江戸留守居役だった福間彦右衛門の日記(「公儀所日乗」)を

もとに、当時の藩邸の生活の様子や国元との連絡に奔走する

彦右衛門の苦労が描かれています。

読み物としてもおもしろかったし、なるほどこういうふうに資料を

分析して時代考証をされていたんだということもわかり、

興味深かったです。

 

たとえば。

藩邸の敷地は決まっていて、隣の藩邸との境はちゃんとあるのだが、

土地を有効利用するため境に壁などは造らず、

ぎりぎりまで長屋を建てて、そのかわり境になるほうの壁には

窓や扉を付けない、という取り決めがありました。

でも、窓がないと通気が悪い、扉がないと不便だといって、

勝手に窓や扉を造り、それが隣の藩に見つかって、

「取り決めと違いますよ」と文句がきたりとか。

藩の奉公人が、奉公が辛いとかで藩を出奔します。

(これを欠落(かけおち)といいます)

別の藩に奉公していると、それが元いた藩にばれて、

「その奉公人はうちの藩から欠落したものです」

と文句がきたりとか。

 

留守居役は大変。

でもよくできたお留守居役は藩にとって重宝したこと

でしょう。

普段読まない分野の本もたまにはいいものだと思いました。