もりっちゃんのゆるブログ

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「手塚雄二展」と「晴子情歌」(上・下)

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おとといの日曜日、母に用事を頼まれて大阪の京橋まで行った

ついでに、なんばの高島屋で「手塚雄二展」を見てきました。

平山郁夫氏に師事した手塚氏の作品は、モダンな日本画

いう感じで、日本の四季折々の風景が美しく描かれて

いました。

 

そしてやっと髙村薫著「晴子情歌」(上下巻)を読み終えました。

晴子情歌(上) (新潮文庫)

晴子情歌(下) (新潮文庫)

1月末に読み終えた「冷血」(上下巻)に続いて、

まだ1つ残っていた合田刑事シリーズ「太陽を曳く馬」を

図書館で借りて読みながら、

同時にこの「晴子情歌」も読んでいたのでした。

「太陽を曳く馬」はオウム真理教の一連の事件後に

起こった宗教団体に関係する事件を扱った小説。

下巻のほとんどは仏教についての論議で、ちんぷんかんぷん

ながら流し読み(すみません<(_ _)>)、

期限内に読み終えました。

仏教についての理解はともかく、ミステリーとしては

読みごたえもありおもしろかったのですが、

この感想をまとめる前に、同時に読んでいた「晴子情歌」との

リンクがわかってかなりびっくり\(◎o◎)/!したのでした。

 

「晴子情歌」はミステリーではありません。

大正9年に東京の本郷で生まれた晴子さんの人生を、

晴子さんが息子の彰之さんに宛てて自ら記した手紙と

漁船に乗りながらその手紙を読む彰之さんの語りとで

描く、言うなれば大河小説です。

この息子の彰之さんが「太陽を曳く馬」に登場する

宗教団体の福澤彰之和尚と同一人物だったのでした。

福澤彰之和尚はキーマンで謎の人物だったので、

その人の過去を知ることに興味も覚え、引き込まれて

いったのでした。

というわけで、ようやく「晴子情歌」読了です。

 

晴子さんは、無名の市井の人です。

そんな人が昭和の時代、戦前、戦中、戦後と時代が

移ろうなかで、人々がどんなふうに時代をとらえ、

何に希望を持ち、日々を生きていたか、

そんな話を読んだのはたぶん初めてです。

物語の舞台はほとんどが青森と北海道。

知らない土地の昔の暮らし。

地図と描写で想像しながら追っていった晴子さんの

人生は、北の海の波の音で始まり、波の音で終わる、

そんなイメージです。

一番印象に残った場面は、ニシン漁です。

「ソーラン節」という民謡がありますが、

あの歌の世界がばーっと目の前に広がるような

気がしました。

 

さて、次に読んでいる本は内田百閒(うちだひゃっけん)著

「第一阿房列車」(だいいちあほうれっしゃ)です。

痛快な本です。(#^.^#)