もりっちゃんのゆるブログ

楽しく、でも真面目に。 そんなブログを書いています。

まぐだら屋のマリア

多忙のため、しばらくブログをほったらかしにしていました。
もーりもりの木はしおれてなかったので、ほっとしています。

まぐだら屋のマリア

原田マハさん、初読です。
題名と「人生の終わりの地でやり直す勇気を得る。」という帯文で
購入した。

西洋の絵画(宗教画)のモチーフとしてもよく使われる
マグダラのマリア」。
新約聖書の中の福音書に登場する、イエスに従った女性。
キリストの磔刑と埋葬、そして復活を見届けた証人と言われる一方、
美貌と富ゆえに快楽に溺れ、のちにイエスに出会い、悔悛したという
伝説もある。

タイトルの「まぐだら屋」は小さい食堂なのだが、
店名の由来は「マグダラのマリア」と全く関係がない。
(この由来もなかなかおもしろいのだが)
この食堂を切り盛りする「マリア」と呼ばれる女性の名前も
「まりあ」ではない。
でも絶対連想させるし、作者ももちろん意識してそうしている。

他にも聖書を連想させる名前を持つ人物が登場する。
丸弧(まるこ)、与羽(よはね)。

それは読者が勝手に連想するだけで、あくまでも舞台は日本のどこか
北の果てにある小さい食堂「まぐだら屋」である。

ぼろぼろになった人の再生の話は最近多い。
そのきっかけのひとつが「食べること」だという主張。
「まぐだら屋」で出されるあったかな定食と
主人公がラストシーンでバスの中から見るまぶしい春の光を
私も見たいと思った。