もりっちゃんのゆるブログ

楽しく、でも真面目に。 そんなブログを書いています。

「検事の信義」を読みました

今日は雨模様で少しムシムシします。

でもひと頃に比べるとずいぶん過ごしやすくなりました。

 

検事の信義

「検事の信義」(柚月裕子 著)を読みました。

「検事の本懐」、「検事の死命」に続き、「最後の証人」を含めると

検事佐方貞人シリーズ4作目になります。

 

・裁きを望む

・恨みを刻む

・正義を質す

・信義を守る

の4編が入っています。

ドラマの原作になったものも含まれていました。

 

佐方検事と増田事務官は、刑事部から公判部へ異動になっている。

刑事部と公判部の違いは作中に説明がある。

刑事部は、警察から送致されてきた案件について、起訴か

不起訴かを決める部署で、公判部はその名のとおり、裁判に

出廷し、被告人に適当と見込まれる刑罰を要求するのが責務だ。

(「検事の信義」“信義を守る”より)

 

佐方は警察で調べを尽くした事件を、検察として改めて調べ直す

検事だったので、警察からは嫌がられていた。

今回公判部に移ってからも、刑事部の検事が調べて「起訴」を

決めた事件を再度調べ直すので、刑事部の検事からも嫌がられる。

そばで見ている増田事務官にすれば、毎回ハラハラしてばかり。

 

今回の「検事の信義」で佐方シリーズはいちおう終わり。

次は「孤狼の血」シリーズを読もうかな。

 

「雪のなまえ」を読みました

昨日は婦人科の年1回の検診でした。

1年の間に予約がネット予約に変わっていました。

(予約専用電話もあり)

いつも通り電話して、「この電話では予約できません」と

言われびっくりしました。

ほんまに世の中スマホがないとだんだん不便になる・・・

 

雪のなまえ (文芸書)

「雪のなまえ」(村山由佳 著)を読みました。

 

村山由佳さんの作品は初めてです。

私の勝手なイメージですが、なんとなく甘ったるい小説かなと

思っていて読んでいなかったのです。(すみません💦)

この作品は「雪の階」を書店で見つけたとき、同じ「雪」が

タイトルにある作品として目に留まり、ほぼ同時期に図書館に

予約をかけたのでした。

 

小学5年生の島谷雪乃は、突然始まった同級生からのいじめを

きっかけに不登校になってしまった。

一人娘の一大事に、父航介と母英理子との間にも争いが絶えない。

間で苦しむ雪乃。

父の航介はかねて考えるところがあり仕事を辞め、

父親の祖父母(雪乃の曾祖父母)の住む田舎で農業をすると言い出す。

仕事を辞められない母英理子は、週末や休みの日に田舎に通ってくる

ことになり、父と娘の田舎生活が始まった。

・・・という出だし。

 

田舎暮らしへの憧れはよく聞くし、コロナ禍の今も

田舎への移住特集という番組も多い。

憧れだけではやっていけないということは誰でもわかる。

航介ももちろんわかっている。

都会からみると“めんどくさい”ことも多い。

雪乃の不登校の問題もそう簡単に解決するとは思えない。

そのうえで、「こういうのもありじゃない」と

誠実に訴えかけてくる小説だった。

 

タイトルの意味は物語のラストでわかる。

もちろん主人公の名前とも重なっていると思う。

 

大吉餅

今度は雨続きです。☔

涼しいのは助かりますが洗濯物が・・・

 

昨日、息子のワクチン接種2回目が無事終わりました。

これで家族全員接種完了。 やれやれです。

副反応も微熱と痛みのようなので、大丈夫でしょう。

 

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大吉餅。 初めて食べました。

中身はつぶあんです。

皮の部分がモチモチしています。

おいしかったです。

縁起がいい名前もグッドです👍

 

「魔眼の匣の殺人」を読みました

今日から雨になり気温が下がりました。

ムシムシしますが少しほっとできますね。

今月は通院での検査が続くのでちょっと憂鬱です・・・

コロナの方も関西はまだ減る兆しがみえないし。

毎日同じサイクルの生活の繰り返しで、感性(もともとあるのか

疑問だが)が鈍くなっている気がする。

やっぱり元々ないのか??(笑)

 

魔眼の匣の殺人 屍人荘の殺人シリーズ

「魔眼の匣の殺人」(今村昌弘 著)を読みました。

 今年1月に読んだ「屍人荘の殺人」の続編です。 

 (記事はこちら ↓ )

「屍人荘の殺人」を読みました - もりっちゃんのゆるブログ

 

主人公で探偵役は、神紅大学(関西の有名私大という設定)

経済学部1回生の葉村譲(はむらゆずる)と

同大学文学部2回生の剣崎比留子(けんざきひるこ)。

今回は事件に巻き込まれたというよりも、自らある施設に

調査に出向いて事件が起こったというところ。

その施設は、人里離れた山の中に建っており、唯一の

連絡通路である橋が燃え落ち、外界と遮断される。

そう、今回もクローズド・サークルのミステリーだ。

 

******(9/4 追記)******

調査に出向いた施設の通称がタイトルにある“魔眼の匣(はこ)”。

その施設のある地区の名前である真雁(まがん)地区から

付いた通称だ。

匣が付くタイトルには「魍魎の匣」(京極夏彦 著)があるが、

この施設の使われ方を考えるとぴったりのように思う。

******     ******

 

ミステリーとしての衝撃は1作目(「屍人荘の殺人」)に

及ばない。

でも、1作目の事件を経て築かれた葉村と比留子の

“いい雰囲気”を、ニヤニヤしながら楽しめる。

そのためにも1作目から順番に読むほうがいいと思う。

実は3作目も出版されている。まだ図書館には入っていないが。

 

現場見取り図に滝があった。

絶対トリックのひとつになっていると思っていた。

結果は・・・・???

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  (無料イラストより)

 

「ローマ人の物語Ⅸ」を読みました

8月も最後になって猛暑続き・・・

みなさん、夏バテしていませんか?

私は、美容院、病院と外出が続いています。

感染対策をしてじゅうぶん気をつけて出かけます(^^)/

 

賢帝の世紀──ローマ人の物語[電子版]IX

ローマ人の物語Ⅸ 賢帝の世紀」(塩野七生 著)を読みました。

 とうとう9巻。 がんばっています(^^)/

 

前巻(Ⅷ巻)の最後に登場したネルヴァ帝から、五賢帝時代に入りました。

五賢帝

ネルヴァ、トラヤヌスハドリアヌスアントニウス=ピウス、

マルクス=アウレリウス=アントニヌス

の5人の皇帝をさす。

とくにトラヤヌス帝のときにはダキア(現在のルーマニア地域)

メソポタミアを征服し、ローマ帝国は最大版図に達した。

(「新詳 世界史B」(帝国書院)より)

※当時の教科書ではトラヤヌス帝になっているが、本書では

トライアヌス帝と表記している。

 

◆13代皇帝 トライアヌス (A.D.98年~117年)

後天的にしろ強大な権力を与えられた皇帝はどう振舞うべきかの

問題だが、小プリニウスは次のように言う。

「主人としてではなく父親として、専制君主ではなく市民の一人

として」と。そして人間的には、

「快活であると同時にまじめであり、素朴であるとともに威厳があり、

気さくでありながらも堂々としていなければならない」

これではスーパーマンだと私などは思ってしまうが、最高権力者

ともなれば超人的であらねばならないと、ローマ人は考えていたのであろう。

(「ローマ人の物語Ⅸ」“第一部 皇帝トライアヌス”より) 

トライアヌス帝は、首都ローマ生まれでもなく、イタリア生まれでもなく、

今のスペインー当時のローマ帝国の属州ベティカ出身の皇帝。

ここにきて人格的にも優れた「至高の皇帝」が登場した。

 

ローマ帝国は、多民族国家である。隣り合って住む民族同士は、

仲が悪いのが常である。仲が良かったとすればそのほうが異常で、

ゆえに幸福な状態ということになる。覇権国家であるローマの役割

の一つは、民族間に起こりがちな争いの調停にあった。

(中略)

パクス・ロマーナ」は、外敵の排除に成功するだけで達成

できたのではない。帝国内部の紛争を収拾することにも

成功していたからこそ、「ローマ人による世界秩序」に

成りえたのである。

(「ローマ人の物語Ⅸ」“第一部 皇帝トライアヌス”より)

平和の時代だからこそ、内政が大切だと思わせてくれる。 

 

人間の仕事の進め方は、大きく分けて次の二つに分類できるのでは

ないかと思う。

一つ、そしてまた一つと、完成させて次に進むやり方。

すべてを視界内に入れながら、それらすべてを同時進行的に

進めていくやり方。

ルネサンス時代を代表する芸術家を例にとるならば、

レオナルド・ダ・ヴィンチは後者であり、

ミケランジェロは前者だった。

(中略)

トライアヌスの仕事の進め方はミケランジェロ型で、

ハドリアヌスのそれはレオナルド型と言えるだろう。

(「ローマ人の物語Ⅸ」“第一部 皇帝トライアヌス”より)

私はどちらの型かな。性格的にはミケランジェロ型だと思うけれど、

今はほとんどレオナルド型で生活していますね。

本も同時進行でに2~3冊読むし、家の仕事もやりながらやる(?)

という感じ。

集中力がなくなってきたのだと思います。

飽きっぽいし。

 

地方分権を認めすぎると国家は解体する。あの広大なローマ帝国

長期にわたって、しかも相当に満足いく程度に機能することができたのは、

中央集権と地方分権が巧妙に組み合わされていたからである。

(「ローマ人の物語Ⅸ」“第一部 皇帝トライアヌス”より)

これはバランスが難しい問題だと思います。

どちらに傾いてもうまくいかない。

 

◆14代皇帝 ハドリアヌス(A.D.117年~138年)

前皇帝トライアヌスの養子となり、後継指名されて皇帝となった。

 

ローマ史に接していて最も強く感ずることは、彼らローマ人の

一貫した持続性である。

(「ローマ人の物語Ⅸ」“第二部 皇帝ハドリアヌス”より)

皇帝が変わっても公共建造物なんかは続けて完成させたし、

補修を繰り返した。継続は力なり💪

 

 しかし、ローマ人は、「negotium」(仕事)と「otium」(余暇)

を分けるライフスタイルを確立した民族でもあった。一般の市民で

すら、日の出とともに仕事をはじめ日没に眠るのを常としながらも、

午前中は仕事、午後は余暇と分けていたのである。また、住まいも、

一応の市民ともなれば町なかの家に加えて、農畜産物確保の目的が

主とはいえ田舎の家をもっているのが普通だった。

(「ローマ人の物語Ⅸ」“第二部 皇帝ハドリアヌス”より)

メリハリのある生活を送っていたといえますね。

午前中に仕事をして、午後1時~2時に入浴、その後夕食を食べる

というルーティンだったよう。

太陽のほかに電気という光を得て、人間はうんと忙しくなったのかも

しれません。

別荘があるのはちょっと憧れる。小さい家でいいから。

 

しかもローマ人は、思わぬ幸運に恵まれて成功するよりも、

状況の厳密な調査をしたうえでの失敗のほうを良しとする。

ローマ人は、計画なしの成功は調査の重要性を忘れさせる

危険があるが、調査を完璧にした後での失敗は、再び失敗を

くり返さないための有効な訓練になると考えているのである。

(「ローマ人の物語Ⅸ」“第二部 皇帝ハドリアヌス”より)

これはちょっとうなずけない部分がある。

やっぱり失敗するより成功する方がいいと思うし。

失敗した後の原因調査は必要だと思うけれど、失敗は気分が

萎える。 

 

◆15代皇帝 アントニヌス・ピウス(A.D.138年~161年)

前皇帝ハドリアヌスが後継指名した人物がまだ若すぎたので、

その人物を養子にすることを条件にハドリアヌスが皇帝位を

譲った。

 

ローマは、誰にでも通ずる法律を与えることで、人種や民族を

別にし文化を共有しなくても、法を中心にしての共存共栄は

可能であることを示した。そして、この生き方がいかに人々に

とって利益になるかを示すために、数多くの権利の享受までも

保証してきたのである。

ー哲学者アエリウス・アリスティデスのことば

(「ローマ人の物語Ⅸ」“第三部 皇帝アントニヌス・ピウス”より)

ギリシア人の歴史とローマ人の歴史を分ける最も明らかなちがいは、

前者は、都市(ポリス)間の抗争の歴史であり、後者は、権力抗争

はあっても都市間や部族間の抗争はなかった、という一事であろう。

(「ローマ人の物語Ⅸ」“第三部 皇帝アントニヌス・ピウス”より)

しつこく思われようとも、私は何度でもくり返す。人間にとっての

最重要事は安全と食の保証だが、「食」の保証は「安全」が保障

されてこそ実現するものであるということを。ゆえに、「平和」が

最上の価値であることを。

(「ローマ人の物語Ⅸ」“第三部 皇帝アントニヌス・ピウス”より)

こんなふうに理想的ともいえる国だったのだと感心さえしてしまう。

こんな五賢帝時代だが、

ただ、それでも後の世まで影響した政策がひとつだけある。

ユダヤ教徒の反乱によって起こったユダヤ戦役(A.D.131年~134年)後、

皇帝ハドリアヌスイェルサレムからユダヤ教徒を全面追放を命じた

ディアスポラ(離散)」だ。

これによって、ユダヤ教徒イェルサレムを追われ祖国を失った。

そしてその後20世紀半ばまで、つまりイスラエル建国までこの

ディアスポラ」は続くことになったのだ。ひゃあ~

ユダヤ教徒からすれば、祖国を追われたとなるが、

ローマ帝国からすれば、これ以上寛容な政策はとれなかった

ということになる。

共存共栄は対ユダヤにはどうしてもうまくいかなかった。

 

そしてこの間も水面下で広がり始めていたキリスト教

いよいよその影響が色濃く出てくる時代になる。

次巻は、10巻。

五賢帝最後、第16代皇帝 マルクス・アウレリウス・アントニヌス

の時代。

つ・づ・く

 

ごろごろとしたさつまいも蒸しぱん

秋の味覚、栗やさつまいもを使ったお菓子やパンが目につくように

なりました。

夏の終わりになって暑さが戻り、秋というには気が早い気も

しますが、好きなものなのでさっそく食べました。

 

ごろごろとしたさつまいも蒸しぱん 。 ↓

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さつまいもがたくさん入っていておいしかったです。

 

 

「完訳 ファーブル昆虫記 第2巻 上」を読みました

夜は秋の虫の音が聞こえるようになりました。

もう夏が終わるんだなあとしみじみしていたら、

木曜日あたりから再び暑くなるそう。

ちょっと気が早かったか・・・

 

完訳 ファーブル昆虫記 第2巻 上

「完訳 ファーブル昆虫記 第2巻 上」(ジャン=アンリ・ファーブル 著/

奥本大三郎 訳)を読みました。

ファーブル昆虫記の3冊目。表紙もとうとう(笑)ハチになりました。

アラメジカバチ(粗目似我蜂)

トックリバチ(徳利蜂)

ドロバチ(泥蜂)

ナヤノヌリハナバチ(納屋塗花蜂)

これら4種のハチが登場します。

 

ファーブルさんは1879年、55歳のときに「アルマス(荒地の意)」と

名づけた家と研究室のある広い庭付きの土地を買い、

ここで昆虫の観察に専念します。

「これが私のエデンの園である」とファーブルさんは言っています。

あらゆる種類のハチの職業組合が会合を開いている、と。

さまざまな種類の獲物を狙う狩人、漆喰の家を造る建築家、

木綿を織る職人、葉や花びらを切り抜いて張りあわせる職人、

木の繊維の家を造る工芸家、粘土をこねる左官屋、

材木に穴を穿つ大工、地下に坑道を掘る坑夫、風船つくり職人、

等々。

(「完訳 ファーブル昆虫記 第2巻上」“1アルマス”より)

ファーブルさんのワクワク感が伝わってきます。

 

アラメジガバチは、砂地に巣穴を掘り、ヨトウムシを狩って

巣穴に蓄え幼虫の餌とする。

ヨトウムシは畑の作物を荒らす害虫なので、アラメジガバチを

増やして狩ってもらったらいいのにと考えるかもしれないが、

そうはいかない。

ヨトウムシを全部退治してもらったら、アラメジガバチの獲物が

なくなってしまうので、そこにアラメジガバチはいられなくなる。

益虫には害虫が必要だという、なんとも皮肉な、絶妙なバランスの

もとにあるのだ。

 

トックリバチは、泥で徳利状の巣を造り、複数のガの幼虫ー芋虫を

蓄えて卵を産みつける。

この徳利状の巣は、小石やカタツムリの殻が表面に埋め込まれ、

なかなか美しい。

 

ドロバチは、崖などに巣穴を掘り、複数の小部屋を造る。

そこにゾウムシなどの幼虫を狩り、巣に蓄えて幼虫の餌とする。

巣の入り口には泥で筒状の出入り口をこしらえる。

 

ナヤノヌリハナバチは、納屋の軒や庇などに複数の巣を造り、

花の蜜や花粉を巣に蓄えて幼虫の餌とする。

 

ファーブルさんはダーウィンの唱える進化論を受け入れなかった

けれど、ダーウィンの提案した実験は受け入れている。

私は彼の進化論を信じることができないのだけれど、

彼の人格の高潔さと、学者としての誠実さに対する

私の深い敬意は、それによっていささかも減ずるものでは

ないからである。

(「完訳 ファーブル昆虫記 第2巻上」

  “7 ナヤノヌリハナバチの新しい研究”より)

 

最後に、ハチではない昆虫が1つ紹介されている。

アリだ。

でも変なアリ。

アカサムライアリといって、他種のアリの巣を襲って蛹を

奪い、自分の巣で羽化させ、奴隷として使役するアリ。

餌も自分では食べず、奴隷アリに口移しで給餌させる。

恐ろしいですね。

 

ファーブル家にはブルという名の飼い犬がいて、

ファーブルさんはそのブルの歌を作っている。

五線譜が載っていたので、歌ってみた。

3拍子の素朴でかわいい歌だ。

ちなみに飼い猫もいる。名前はジョーネ。 

本当に生き物が好きだったのだなあと思いました。

 

次は、第2巻の下。まだまだハチが続くみたい。