もりっちゃんのゆるブログ

楽しく、でも真面目に。 そんなブログを書いています。

「食はイスタンブルにあり」を読みました

緊急事態宣言が延長になりました(T_T)

府都県で要請内容が違うので、今回はややこしいです。

ようやく4月末から続いた連休モードが今日で終わり。

慣れないといけないと思いつつ、たまには一人になりたいと

思ってしまいます。(+_+)

しばらく気圧変化による頭痛でしんどかったですが、

今日は楽になりました(*^-^*)

明日からもがんばろー。

 

食はイスタンブルにあり 君府名物考 (講談社学術文庫)

「食はイスタンブルにあり」(鈴木董(すずきただし) 著)を読みました。

昨年(2020年)11月7日の毎日新聞書評欄「今週の本棚」で

紹介されていた本。

この文庫は新刊で、まだ図書館になく、NTT出版の気球の本という

シリーズに入っているのを借りました。

 

「飛んでイスタンブ~~~ル~♪」という歌をご存知ですか?

イスタンブルはトルコの古都。

トルコは私が行ってみたい国のひとつです。

はるか昔、紀元前7世紀頃、ギリシア人によってビザンティオンと

名づけられ、東ローマ帝国ではコンスタンティノープル

オスマントルコではイスタンブルと名前を変えました。

ヨーロッパとアジアとイスラム諸国とを結んだちょうど真ん中にあり、

歴史も文化もとてもおもしろい。

今回は食がテーマみたいで余計読んでみたいと思いました。

 

トルコ料理というと、何を思い浮かべますか?

私は“シシュ・ケバブ”です。

初めてシシュ・ケバブを知ったのは大学の学祭です。

本来のシシュ・ケバブは羊肉ですが、私が食べたのはたぶん

羊肉ではないと思います。だからシシュ・ケバブもどきですね(笑)

今回シシュ・ケバブ以外のトルコ料理をたくさん知り、

ますますトルコが好きになりました。

 

例えば。

ドルマ (野菜の詰め物)ピーマンの肉詰めみたいな感じ。

キョフテ (肉団子)

イシュケンベ・チョルバスゥ (羊の胃袋のスープ)

クズゥ・バシュ (羊のお頭焼き)

主食はエクメキ (パン)

メルジュメキ・チョルバスゥ (すりつぶしレンズ豆のスープ)

タヴァ (揚げ焼き)天ぷらに近い レモンかヨーグルトで食べる

ピラウ (ピラフ)

ヨウルト (ヨーグルト)

ペイニル (チーズ)

などなど。

 

一番興味深かったのは、オスマントルコの健康メニューというべき

献立表です。

一週間のうち金曜日がイスラムの礼拝日で食事が豪華とされています。

金曜日の春夏秋冬それぞれの献立を挙げてみます。

 

春 初め冬の料理を徐々に軽くし、終わりには夏向きのものを

  加える。香料は少なめがよい。

  米のピラフ・ひよこ豆のスープ・オレンジ汁入り炒めもの・

  ミント入りスープ・レモン汁と鶏卵入り鶏スープ・

  鶏のケバブ

夏 常にごく軽いスープを供し、香料は用いぬがよい。

  米のピラフ・青く酸っぱい果物入りスープ・茄子のドルマ

  利尿作用のある薬草のスープ・鶏の清汁・鶏ケバブ

秋 初秋には夏の食に近く、晩秋には冬の食を交えるべし。

  香料も初めは少なめに、冬に近づくにつれ量を増やす。

  米のピラフ・羊肉のりんご炒め・パセリ入りスープ・

  人参スープ・ざくろで酸味をつけた鶏スープ・

  鶏ケバブ

冬 湿気のある料理に香料をたっぷりと加え、香料の豊かさで

  食味を心ゆくまで味わうべし。

  極細素麺入り米ピラフ・小麦を用いた一品・蕪の炒め煮・

  栗入り鶏スープ・鶏のケバブ

 

日本では食欲の“秋”と言われますが、トルコでは食欲の“冬”みたいです。

現在のトルコでは、トルコ料理以外にフランスなど西洋の料理や

中華料理、ロシア料理などが入ってきて、変化が激しいそうです。

心は

「飛んでイスタンブ~~ル」♪

「ゆりかごに聞く」を読みました

がまんウイークの最終日は雨🌂

例年この連休中にこたつを片付けるのですが、今年はまだちょっと

寒くて見合わせました。

今年まだちょっと寒いよね(>_<)

 

ゆりかごに聞く

「ゆりかごに聞く」(まさきとしか 著)を読みました。

まさきとしか氏の作品、「完璧な母親」の読後感があまりよくなかった

ので、他の作品を読むか迷いましたが、1作品で判断しては

いけないかと思い次に回ってきた本を借りました。

 

主人公は新聞社に勤める柳宝子(やなぎほうこ)。

娘への虐待を疑われ、娘は夫と暮らし、夫とは離婚して今はひとりで

暮らしている。

ある日、21年前に死んだはずの父親が変死したという知らせが

入る。死んだと思っていた父は別人だった。

変死した父を納骨するとき、父と思って埋葬した別人の骨壺が

なくなっていた。

誰が? 何のために?

父の死の謎を追う過程で、宝子の出生の秘密が明らかになる。

 

今回は「完璧な母親」のような嫌な読後感はありませんでした。

ただ詰まる所のテーマは似ています。

「ゆりかごに聞く」というタイトルが示す通り。

 

もう1冊予約している まさきとしかさんの本があるので、

それは読んでみようと思っています。

 

「刑事の怒り」を読みました

せっかくのいいお天気なのに出かけられないなんて

残念・・・

仕方ないですね。

 

刑事の怒り

「刑事の怒り」(薬丸岳 著)を読みました。

夏目信人刑事シリーズ、3作目です。

今までの2作品(「その鏡は噓をつく」「刑事の約束」)は

東池袋署が舞台でしたが、その後夏目刑事は異動になり、

舞台は錦糸署へ。

表紙にも東京スカイツリーがそびえていますね。

 

2018年発行で、4本の短編が収録されています。

テーマが、年金不正受給、性犯罪、外国人労働、介護と

現代特有の社会問題。

事件が解決しても、社会問題そのものは残る。

夏目刑事は問題解決の難しさは認めながら、信じることに

ベストを尽くします。

この姿勢には読者は救われます。

 

「チーズと塩と豆と」を読みました

我慢のGWだそうです。去年もそんなこと言うてたなあ。

なんか塗り絵とかネットで探したりして・・・

あれからまた新しいツールができてるかも。探してみよか。 

 

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「チーズと塩と豆と」(角田光代井上荒野森絵都江國香織 著)を

読みました。

文庫版はこちら。 ↓

 チーズと塩と豆と (集英社文庫)

 

江國香織作品を続けて読んでいたとき、“旅と料理”をテーマにした

短編集として紹介されていた本。

収録されているのは以下の4作。

それぞれの主人公はだいたい30歳代の男女。

舞台はラテン系の国々だ。

 

「神さまの庭」の舞台はスペイン、ビルバオ近くの町。

アイノア(女性)はレストランを営む父親や家族との食事を

大切にする親戚から離れて大都市に暮らすが、結局は父と

同じ料理をする職業を選ぶ。

 

「理由」の舞台はイタリア、トリノから2時間かかる山。

アリダ(女性)は入院している夫に好きだったミネストローネを

作って届ける毎日。

 

「ブレノワール」の舞台はフランス、ブレスト。

ジャン(男性)はシェフを目指してパリで修行中である。

ブレ(ble・小麦)ノワールnoir・黒)は、日本のそば粉のこと。

ブレストではブレノワールで作ったしょっぱいクレープが

郷土料理だ。

 

アレンテージョ」の舞台はポルトガルアレンテージョ

マヌエルと旅をするルイーシュ、ふたりはゲイのカップルだ。

普段はリスボンに住んでいるが、アレンテージョの名物を

食べ尽くす旅に出ている。

 

旅の大きな楽しみはその土地で味わう食事。

最高級の料理でなくても、一宿一飯、忘れられない食事になる。

さあ妄想の旅に出ましょうか・・・(*´艸`*)

 

「ローマ人の物語Ⅰ」を読みました

二晩連続で夜中に薬を使ったので、今日はかなりぼーっとして

眠いです😪

やっぱり3度目の緊急事態宣言がこたえているのかなあ・・・

元気出して! 

 

ローマは一日にして成らず──ローマ人の物語[電子版]I

ローマ人の物語Ⅰ ローマは一日にして成らず」(塩野七生 著)を

読みました。

前から読みたいと思っていましたが、長いシリーズなのと

読むならⅠ巻からと思うとだいたいⅠ巻は貸し出し中だったりして、

なかなかその機会がありませんでした。

今回幸いⅠ巻が棚にあったので借りて読みました。

「Ⅰ巻 ローマは一日にして成らず」は、伝承上のローマの建国(B.C. 753)

からローマ共和制によるイタリア半島統一(B.C. 270)までの

約500年間が描かれています。

 

最後まで読めるか自信がありませんでしたが、予想外(失礼!)に

おもしろい!

登場する歴史上の人物が、本当に生きているように(うーん、

この表現はいかがか・・・)描かれています。

読むのに歴史の(世界史の)知識が必要かといえば、これは

微妙かな~

ところどころに地図や表があり、私はほとんどひっかかりなく

読めました。でも古代ギリシャやローマ、当時のその周辺の民族や

小国家にひっかかって(ん?と思ってしまって)、読むのが

しんどくなる人もいるかも。

(私が理系の読み物を読むときのように)

 

ただこの「ローマ人の物語」シリーズの魅力は、

(まだⅠ巻しか読んでいませんが)

歴史を知り、当時の人々の生きざまを知って、現代人が何を感じるか

について読者に問いかけてくるところです。

いくつか引用して紹介します。

 

知力では、ギリシア人に劣り、

体力では、ケルトガリア)やゲルマンの人々に劣り、

技術力では、エトルリア人に劣り、

経済力では、カルタゴ人に劣るのが、

自分たちローマ人であると、少ない史料が示すように、

ローマ人自らが認めていた。

それなのに、なぜローマ人だけが、あれほどの大を成すことが

できたのか。一大文明圏を築きあげ、それを長期にわたって

維持することができたのか。

  (「ローマ人の物語Ⅰ」“読者へ” より)

これは確かにそうなんですよね。

Ⅰを読んで少しそのとっかかりは掴んだ気がするけれど。

・ローマ人の気性(寛容さ)

・ローマ人の持っていた国家観

・ローマの周りがすごかった(笑)

まだこの先も続けて読まないとわからないですね。

 

ローマ建国から500年といっても、途中3分の1は古代ギリシア

歴史にページが割かれている。

偉大な政治家、哲学者、文化を持ったギリシアがなぜ短命に

終わったのか。

(略)

時代のせいであろうか。それとも、時代を越えて、偉大な人物は

偉大であることによって、自分では思いもよらない毒を周囲に

まき散らしてしまう存在であるのか。

  (「ローマ人の物語Ⅰ」“ギリシアの衰退”より)

うーん、深い。 

「毒○○」と言い方が今よくされています。

 

(略)

歴史は必然によって進展するという考えが真理である

と同じくらいに、歴史は偶然のつみ重ねであるという考え方も

真理になるのだ。

こうなると、歴史の主人公である人間に問われるのは、

悪しき偶然はなるべく早期に処理することで脱却し、

良き偶然は必然にもっていく能力ではないだろうか。

  (「ローマ人の物語Ⅰ」“南伊ギリシアとの対決”より)

確かに。でもそれが難しい。 

 

古代のローマ人が後世の人々に遺した真の遺産とは、

広大な帝国でもなく、二千年経ってもまだ立っている遺跡でもなく、

宗教が異なろうと人種や肌の色がちがおうと同化してしまった、

彼らの開放性ではなかったか。

それなのにわれわれ現代人は、あれから二千年が経っていながら、

宗教的には非寛容であり、統治能力よりも統治理念に拘泥し、

他民族や多人種を排斥しつづけるのもやめようとしない。

「ローマは遥かなり」といわれるのも、時間的な問題だけでは

ないのである。

  (「ローマ人の物語Ⅰ」 “ひとまずの結び”より)

なかなか耳が痛い。 

 

引用部分だけを読めば、ローマはすごいってことを言いたいだけか

と思われるかもしれないけれど、ダメダメな部分ももちろんしっかり

描かれている。

次は「Ⅱ ハンニバル戦記」に続きます。(^^)/

 

4/30追記

表紙は共和制ローマ創始者ユニウス・ブルータスの

ブロンズ像。 

 

「完璧な母親」を読みました

今日も日中は夏みたい! 日陰を選んで歩きましたよ。

いよいよ3度目の緊急事態宣言が出そうです。

どの程度の制限がかかるのかまだ不明で、落ち着きませんね。

 

完璧な母親 (幻冬舎文庫)

「完璧な母親」(まさきとしか 著)を読みました。

 

ちょっと目先を変えて、今流行っている(売れている)本を読みたいと

思い調べました。

まさきとしか さんの「あの日、君は何をした」がランクインしていて、

図書館で検索すると90件以上の予約がついていました。

(予約はしました)

まさきとしか さんの本は初めてなので、他の著作から読むことにしました。

 

「完璧な母親」、タイトルからしてちょっと嫌味。

主人公は、完璧な母親(完璧とは何?という問題もあり)になろうとした

知可子の娘、波琉子(はるこ)。

波琉子は7歳で亡くなった兄の波琉(はる)の代わり(まさに身代わり)

として誕生した。

初めからあった歪みは、成長と共に度合いが増す。

起こるべくして事件が起こり、結末も「こうなるよね」と予想できる。

何とも嫌な感じが最後まで拭えず、読後感はイヤミスに近かった。

こういう小説を読むと、しばらく小説から遠ざかりたくなってしまう。

ただ、波琉子の兄の死の真相はかなりの驚きでした。

 

「法廷遊戯」を読みました

今週からお天気がよくなり、日中は初夏のよう。

でも朝晩はまだ寒いです。

お出かけには最適な季節なのに、今年もシビアな状況・・・

こんなふうにネガティブに考えることがあかんのやな(笑)

調子がいいのは阪神タイガースだけ🐯 ( ̄m ̄〃) 

 

法廷遊戯

「法廷遊戯」(五十嵐律人 著)を読みました。

 

去年の夏ごろ、新聞広告で見つけて図書館で予約し、今手元に来たので

結構かかりました。現在も70人くらい予約がついています。

2020年7月初版発行の新しい本。同年のメフィスト賞を受賞しています。

 

大学のロースクールを舞台に、法律家を目指す学生たちの

話から始まる。

法律用語がばんばん出てくるし、ちょっと特異な実習(作中では

「無辜ゲーム」と呼ばれている)についていけなかったが、

ある事件をきっかけにぐんと話に引き込まれてしまった。

 

帯にある“法律家を志した三人”は、

弁護士になった 久我清義(くがきよよし)、

事件の被告人となった 織本美鈴(おりもとみれい)、

事件の被害者 結城馨(ゆうきかおる)。

この3人がロースクールの同級生で主な登場人物。

 

罪を認めて、罰を受け入れる道。

罰を拒否して、罪と向き合う道。

最後までこの2つを考えさせられました。