もりっちゃんのゆるブログ

楽しく、でも真面目に。 そんなブログを書いています。

ボトルネック読みました

台風24号が近づきつつあります。

もう台風はこりごりだから来なくていいのにな。

今回は停電に備えていろいろ準備をしています。

水は2ケース買いました。明日の午前中にポリタンクやお鍋、やかんに

水をためておこうと思っています。

缶詰やレトルト食品も揃えました。

今日の午前中買い物に行ったら、パン売り場がすっからかんでした。

みんな買いだめしたみたい。

停電しないこと、被害の少ないことをひたすら祈ります。

 

ボトルネック (新潮文庫)

米澤穂信氏の「ボトルネック」を読みました。

「満願」「羊たちの祝宴」は短編集でしたが、この作品は

長編です。

ボトルネックは作品中でも説明がある通り、

瓶の首は細くなっていて、水の流れを妨げる。

そこから、システム全体の効率を上げる場合の妨げとなる

部分のことを、ボトルネックと呼ぶ。

全体の向上のためには、まずボトルネックを排除しなければ

ならない。

 という比較的新しいことば。

このタイトルの意味を考えながら読んでいると、

三分の1くらい読んだところで何となく意味がわかってくる。

その意味はけっこう怖い。米澤ミステリ独特の怖さ。

 

金沢に住む男子高校生のリョウは、想い人だったノゾミを

弔いに東尋坊を訪れる。

そこでノゾミと同じように崖から落ちたリョウ。

目を覚ますと金沢の街を流れる浅野川のほとりにいた。

疑問に思いながらも家に帰ると、そこには見知らぬ少女

サキが住んでいた。

SFっぽく始まり、典型的な「ボーイ ミーツ ガール」もの

として軽快に話は進むが・・・

 

最後まで読んでもすっきりしない人もいるだろう。

でもこれはそんな小説なんだと思う。

読み手が考え答えを探す結末なのだ。

 

それでも私はリョウとサキの弾むような心地よい会話も、

毒を吐きあうような痛々しい会話も、両方楽しんだ。

あの年代にしかない、刃の上に立っているような危なっかしい

生きざまを見事に表していて。

 

次の米澤作品は「さよなら妖精」。

字の小さい創元推理文庫です。

まじで拡大鏡が必要になってきました(^^ゞ