もりっちゃんのゆるブログ

楽しく、でも真面目に。 そんなブログを書いています。

鱸とおこぜ

先月、オコゼのお鍋の記事を書きました。
そのときの吉田健康さんのコメントにあった「鱸(すずき)とおこぜ」という小説に
興味を持ち、調べてみました。

「鱸とおこぜ(をこぜ)」は阿川弘之氏の短編小説でした。
電子書籍サイトで一緒に紹介されていた「スパニエル幻想」も読みたいと思い、
図書館で予約しました。
両方共短編なので、収録されている全集を2冊借りました。


家から歩いて3分くらいのところに図書館の分室があります。
パソコンから蔵書検索をし、予約をかけて2日で分室に届いたとメールで連絡が来て、
取りに行きました。便利になりましたね〜

「鱸とおこぜ」、「スパニエル幻想」は生き物を擬人化したユーモア小説。

「鱸とおこぜ
鱸は体調不良。頭が重く、胃が痛いので、海で病院を開業している医者のおこぜ
助けを求める。エビの食べ過ぎだ、海藻を食べろと言われるが、おいしくないわ、
体調は戻らないわで、文句を言いにおこぜ先生を探す。
途中、生臭坊主のクラゲに会い、お前はおこぜの暗示にかかったのだと言われるが・・・

実は海の上では人間が釣りをしている。
おこぜ先生は何処に? 鱸はどうなるのか?


「スパニエル幻想」
「私」は小説家。コッカ・スパニエルという種類の犬(メス・名前はトン)を
飼っている。
もう3歳になるのにいつまでもよく鳴き、徹夜明けでもうるさくて寝られない。
犬の面倒をみている(みさせている)妻も手のかかる子どもの世話で大変そう。
犬を手放そうかと考えた「私」が、ホテルの部屋で小説を仕上げていると、
トンによく似たコッカ・スパニエル犬が部屋を訪ねてきた・・・


どちらもすぐに読み終わる短編で、魚や犬がことばを話すのでおもしろいのだが、
にやっと笑って終わり、とすませられないのがすごい。
「スパニエル幻想」の方は、なんかモヤモヤして心配なぐらい。

阿川弘之氏の小説は初めてですが、全集に入っている他の作品も読んでみようと
思いました。