もりっちゃんのゆるブログ

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ツリーハウス

ツリーハウス (文春文庫)

去年の秋くらいに買って「積んで」いた一品。
角田光代、読みたいなと思ってごそごそ探して段ボール本棚(?)から
取り出した。

読み始めると、もう面白くて面白くて寝るのも惜しいくらい。
二晩で読めるだろうと思っていたら、風邪をひいて中断。

ツリーハウス、大きいブナの木に作った秘密基地のような小屋が確かに登場するが、
この題名には比喩的な意味もあるように思う。
土台のない家、根っこのない家族。
それがどっこい…!?

角田さんは「八日目の蝉」でもそうだったが、社会で話題になった事件をしっかり調べて使っているので、
もちろんフィクションなんだけど、迫力がある。

これは産経新聞2008年〜2009年の連載小説だったので、
新聞小説独特の仕掛けもあって
(たとえば、「この時は知らなかったのである」とか
「のちに後悔することになる」とか意味深なことばで章が終わったりする)
うわ〜この先どうなるんや…と読み進めることができる。

どんな時代でも、今を生きているのは自分が間違いなく自分で選んだ道であるということ。
選ばず流されてはいけない。
人のせいや時代のせいや政治家のせいにして、言い訳してはいけない。
なんてことを、こんな年になって教えてもらったのでした。